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英国生活と英語修行とアートの備忘録

アトリエのマチス @RA

ロンドンの王立美術院ではまだ夏の定期展Summer Exhibitionが続いていますが、3階にあるThe Sackler Wingでは「Matisse in the Studio」と称するマチス展が8月5日より始まっています。
マチスはピカソと並んで人気のある20世紀初頭の画家ということもあり、注目度は高いようです。数年前にもテート・モダン美術館で切り絵(cut-outs)展があったばかり。

展覧会ではマチスのアトリエにあった絵のモデルやモチーフの元になった家具や静物と共にその作品が並べて展示してあります。実物の花瓶がマチスの絵の中でどのように描かれているかを見比べることができます。
ピカソと競うように西アフリカの仮面や文様を集めては飽きることなく眺めていた様子が目に浮かぶようです。

確かに彼が南フランスの光、アフリカの造形、イスラムの文様などに影響を受けていたのはよく分かるのですが、彼の作品そのものには物足りなさが否めません。彼のスタジオにあった個人的なコレクションで、もともと一般に公開する作品類ではないということもあるでしょう。

すでにマチスの作品をよくご存じで、彼のアトリエをのぞいてみたい観客には好奇心をくすぐられる展覧会だと思いました。

この展覧会で印象に残った展示は三つ足のついた「Hot chocolate pot」。とても可愛らしく、この当時これを使ってゆっくりゆっくりホットチョコレートを作っていたんだと思うととても愛しく感じられます。

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「Mattise in the Studio」Royal Academy of Artsにて2017年11月12日まで